ご主人が電話口に出られた

「あなたも私も本当にいい夫を持っているから感謝しなければね。特に和子さんは、ケイハ夫のことを彼女はいつもそう呼ぶ〉のようないい旦那さまを持っているのだから幸せよ」この手である。相手の旦那をちょっとしたことでもいいから褒めることである。さっそく試してみた。相手の夫と接する機会はなかなかないが、最も可能性があるのは、電話をしたとき、その夫が出て来るときである。日頃から、自分の夫のことを「大正生まれだからもうダメ」という木下さんに、その方法をとってみた。「きのう、ご主人が電話口に出られたでしょう。大正生まれとおっしゃったけど、お声がとても若々しいので、他の人かと思ったわよ」「あらそうかしら・・・・・・」そこから彼女のいささか窓口まじりではあったが、夫へのノロケ話が始まった。夫自慢の効用は、夫婦どうしのつき合いを九ムズに愉しくひろげてくれるであろう。いい男友達は、人生を更に楽しくする男友逮とつき合えるのも夫のお陰一九八七年の五月頃、のテレピで、山田太一さんのシナリオによる『ともだち』というドラマを五回ほど連続して放映したことがある。これは、普通のサラマγの男と、やはりサラリーマンの夫を持つ妻がふとしたことで出会い、ともだちになっていく話である。男の方は単身赴任中、女の方は狭い団地にサラリーマンの夫と姑と小学生の子供と住み、パートで弁当屋さんに勤めている。姑が友人と家でマ1ジャγをしていて家にいにくくなり、近所の烏の保護地区に何となく行って、そこでその男性と偶然に会い、ひとことふたこと言葉を交わすことになる。その帰り、寒くて喫茶店に立ち寄るところから始まる話である。お互いにそれ以上の線を越えて、不倫の関係になりたいわけではない。会っていると何となく幸せな気分で話がはずむというだけである。経過はいろいろあるが、そのうち、自分のつれあいに隠している結果になっているのがいやで両方がお互いに紹介し合い、話し合うようになって、とうとうニ夫婦が一緒に一泊旅行に行くことになる。結論は、夫婦以外に異性の友達を持ってもいいじゃないか、しかし現段階としてはそれぞれ結婚している人が、自然にしかも純粋な異性の友人を持つのはなかなか難しい。けれども、もしそれが持てたら、生活に豊かなうるおいと張りをもたらす面も相当あるのではないか、という問題を投げかけている只トーである。突は、私の場合は男友達が何人かいる。これは本当にラッキーなケ1九である。第一に感謝しなければいけないのは夫の態度であるのです。